ITER-TFコイルの安定性解析
Stability Analysis of Toroidal Field Coils for ITER


高橋 良和,吉田 清(ITER-IT);枝谷 昌博,名原 啓博(原子力機構)
takahashi.yoshikazu@jaea.go.jp
Abstract:  ITER-TFコイルは、D型の18個のコイルで構成されている。運転電流値は68kA、最大磁場は11.8T、全蓄積エネルギーは約41GJである。導体はNb3Snのケーブル・イン・コンジット(CIC)型で、中心チャンネルを有し、冷却長は約350mである。コイルの性能および導体の振舞いを十分な精度で予測するために、磁場が高く、温度マージンの小さい部分について、導体内の熱流体解析を行った。TF巻線部、コイル容器、冷凍機の熱交換器を含む全系の熱流体解析は擬似3次元モデルのコードVINCENTAで行った。巻線部とコイル容器は2次元モデルで、熱のやり取りを考慮した。しかし、VINCENTAは空間的にも時間的にもメッシュが粗いので、安定性解析に十分なメッシュでは行えない。そこで、安定性やクエンチ解析には、1次元モデルの熱流体および電気的解析コードGANDALFを用いて、行った。この時、流路の出入口における境界条件は、VINCENTAの結果を用いた。安定性解析は素線の機械的動きによる擾乱(1ms)とプラズマ・ディスラプションによる擾乱(100ms)の2 通りの場合を行った。その結果、TFコイルは、十分な安定性マージンを有し、安定に運転できることが示された。