強磁場中熱処理したBi2Sr2CaCu2O8丸線の電界−電流密度特性
E-J properties of Bi2212 round wires grown in high magnetic fields


高橋 健一郎,井上 拓士,西島 元,淡路 智,渡辺 和雄(東北大)
k-taka@imr.tohoku.ac.jp
Abstract:   我々はこれまで,Bi2212系試料における微細組織とE-J特性,及び,試料の局所Jc分布との相関に注目して研究を行ってきた.その結果,分布の形は微細組織の影響を強く受け,溶融成長組織のように結晶粒のアスペクト比が大きくなると,分布の形が非対称となる(m値が小さくなる)ことを明らかにした.今回,我々は強磁場中で作製したBi2212線材についてE-J特性の測定を行い,パーコレーションモデルによる解析から局所Jc分布を評価した.強磁場中で作製した試料のm値はゼロ磁場中で作製した試料と比較してわずかに大きく,これは,強磁場中熱処理により結晶粒が微細化しアスペクト比が小さくなったためと考えられる.