磁場中熱処理によるBi2Sr2CaCu2O8丸線の電流輸送特性
Current-carrying properties of Bi2Sr2CaCu2O8 round wire reacted in magnetic field


井上 拓士,高橋 健一郎,西島 元,淡路 智,渡邉 和雄(東北大)
inotaku0@imr.tohoku.ac.jp
Abstract:  酸化物超伝導体を磁場中熱処理することで特性が向上する効果を応用するために、強磁場応用が期待されているBi2Sr2CaCu2O8丸線に対し、磁場中熱処理とその特性評価を行った。部分溶融-徐冷法による磁場中熱処理の条件は磁場(BHT) 0 T 又は 5 T、温度(Tmax) 895〜910 ℃とした。特性評価は臨界電流密度(Jc)、電界-電流密度(E-J)特性を4.2〜30 K、外部磁場(Bext) 0〜14 Tで測定した。その結果、Jc-Bext特性、Jc-Tmax特性及びE-J特性から解析したn値は磁場中熱処理した試料の方が高かった。このことは、磁場中熱処理によって結晶配向性が向上し、結晶粒が微細化したため、電流輸送特性が向上したと考えられる。