Inconel 718 Ni基超合金の高サイクル疲労特性に及ぼす圧縮残留応力の影響
Effect of compressive residual stress on high-cycle fatigue properties of Inconel 718 Ni-based superalloy

小野 嘉則 , 由利 哲美 , 竹内 悦男 , 緒形 俊夫 (NIMS);松岡 三郎 (九大);沖田 耕一 ,堀 秀輔 (JAXA)
ONO.Yoshinori*nims.go.jp


Abstract:  Inconel 718鍛造材を用いて、加工後エメリー研磨ままの試験片(通常試験片)とそれにショットピーニング処理(SP)した試験片を作製し、同合金の高サイクル疲労特性に及ぼす圧縮残留応力の影響を調査した。なお、疲労試験は4 K, 77 Kおよび293 Kで疲労試験を行った。研磨ままの試験片では、基本的に表面近傍の炭化物を起点として疲労き裂が発生した。このような破壊が起こる条件では、SPにより導入された圧縮残留応力の影響により、疲労き裂は試験片内部から発生するようになり、疲労特性が顕著に改善された。一方、4 Kの長寿命領域では、研磨ままの試験片でも内部破壊が生じた。これは試験加工時に導入された圧縮残留応力の影響によるものと考えられる。このような領域では、SPにより更に圧縮残留応力を付与しても疲労特性の改善は小さかった。