Nb3Sn複合超電導線における事前曲げ効果の歪解析
Strain analyses of pre-bending effects for Nb3Sn composite wires

岡田 一星 , 村瀬 暁 , 金 錫範 , 七戸 希 (岡山大);淡路 智 , 小黒 英俊 , 西島 元 , 渡辺 和雄 (東北大);和気 正芳 (KEK)
issei_o*power.elec.okayama-u.ac.jp


Abstract:  本研究では,熱処理温度から使用温度まで冷却される間に生じるさまざまな歪について有限要素解析ソフトANSYSを用いて模擬し,これらの操作に対する残留歪の変化を解析し考察する。とくにコイル巻線時に発生する室温での繰り返し曲げ歪(事前曲げ歪処理)に焦点を当てて解析した結果について報告する。Cu-Nb補強型Nb3Snのモデルについて解析を行った結果、冷却時における長手方向歪は事前曲げ処理を行うことで緩和されていることが判明した。また印加歪が約0.4 %付近で事前曲げ歪処理のある場合の方が無い場合よりvon Mises歪の最小値が小さいことが判明した。このことからフィラメント断面形状の熱処理時の形状に近い、すなわち変形が小さいため最大臨界電流Icmが増加すると考えられる。