高抵抗率の金銀合金層を分流保護層とする超電導薄膜限流素子(6)
-温度特性と常電導伝搬特性

Superconducting thin-film fault-current limiting elements using high-resistivity AuAg alloy shunt layers (6)
- Temperature rise and normal-zone propagation during over-current period


新井 和昭 , 山崎 裕文 , 海保 勝之 , 古瀬 充穂 , 中川 愛彦 (産総研)
kazuaki-arai*aist.go.jp


Abstract:  産総研では、限流器用素子として金銀合金層を分流保護層とするYBCO超電導薄膜を提案しその評価を行っている。金銀合金は、分流保護層として従来用いられている金や銀と比べて抵抗率が高いため、これを用いた限流器用素子の単位長さ当たりの耐電圧を高くできることから、素子の使用量を格段に少なくでき限流器の低コスト化に寄与する。今回は、当該限流器用素子に複数の電圧タップを設け、50Hz5サイクルの交流電流による過電流試験を行い、温度上昇、常電導伝搬速度を求め、大容量化の際の素子の長さ等の設計に寄与するデータを得たので報告する。