Y系線材による変圧器の設計検討
A study for designing YBCO transformer

林 秀美 , 岡元 洋 , 今吉 忠利 (九州電力);富岡 章 (FAT)
hidemi_hayashi*kyuden.co.jp


Abstract: 超電導変圧器は不燃性,低損失及び小型・軽量などの特長を有していることから,実用化が期待されている。Y系線材は,臨界電流が大きく,線材のスリット加工による低交流損失化が図れる。このため,巻線のみ冷却してGFRPの保冷容器に収納する高効率な常温鉄心変圧器,更に,超電導線を増して鉄損を低減することにより鉄心も冷却してSUSの保冷容器に収納する低温鉄心変圧器が実現できると考えられる。今回,66kV/20MVA級のY系変圧器の概念設計及び経済性の検討を行なった。その結果,Y系変圧器は油入変圧器に対し重量は約1/2,設置面積は約2/3,効率は0.4〜0.5%向上することが得られた。常温鉄心変圧器では,初期コストが屋外油入方式変圧器より高価だが,低損失であるので総合コスト(ライフサイクル)ではメリットがある。低温鉄心変圧器では,初期コストが屋外油入変圧器相当ならば,総合コストでは有利である。