配向Ni−W合金基板を用いたYBCO線材の開発(2)
Preparation of the YBCO tapes using Ni-W substrate (2)

高橋 保夫 , 小泉 勉 , 兼子 敦 , 青木 裕治 (昭和電線);塩原 融 (SRL)
k920112*snt1.swcc.co.jp


Abstract: 次世代超電導線材の低コスト化を図る上で生産性の点から配向金属基板は魅力的である。我々はこれまでに配向Ni-W合金基板上への中間層、超電導層のMOD法による開発を行ってきた。CZO中間層の成膜条件、Ni-W基板作製条件を其々最適化してCeO2(PLD)/CZO(MOD)/Ni-W構造の中間層付基板を作製し、これらの基板上にTFA-MOD法で作製したYBCO膜でIc=80Aの膜が得られたことを前回報告した。YBCO膜のJcはCeO2-cap層の面内配向性に依存すると共にNi-W基板に存在した配向の異なる結晶粒(粗大粒)の密度にも依存する事が明らかになった。Ni-W基板の加工条件を最適化する事により粗大粒を無くし、電解研磨の併用により表面平滑性を向上させる事によりJc>1MA/cm2の臨界電流密度が得らるようになってきた。本報告では配向Ni-W基板上におけるTFA-MODプロセスで作成したYBCO膜の特性向上について報告する。本研究は超電導応用基盤技術研究体の研究として,新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託を受けて実施したものである.