YBCO超電導線材の過電流パルス通電による特性劣化
Degradation of YBCO Coated Conductors due to Over-current Pulse

石山 敦士 , 田中 康武 , 植田 浩史 (早大);飯島 康裕 フ , 斎藤 隆 (フジクラ);鹿島 直二 , 森 匡見 , 渡部 智則 , 長屋 重夫 (中部電力);加藤 丈晴 (JFCC);町 敬人 , 塩原 融 (SRL)
yasutake*toki.waseda.jp


Abstract: YBCO線材の電力ケーブル,変圧器,限流器といった電力機器への応用に際し,線材に機械的な応力が加えられた状態で運転電流の10-30倍程度の短絡電流が流入してしまうことが予測される。過電流が流入すると超電導体は常電導転移し,超電導特性が劣化または焼損する。またYBCO線材は積層構造をしているため,機械的特性は従来の多芯構造の線材と異なると考えられる。そこでYBCO線材の過電流通電による劣化のメカニズムを解明し,熱的安定性の基準を確立する必要がある。今回,我々はさまざまな条件下でYBCO線材の過電流通電試験を行い,特性劣化に対する最高到達温度,温度勾配,温度上昇率などの影響を評価し,特性劣化前後のMOおよびSEM,TEMによる観察を行ったので報告する。本研究は超電導応用基盤技術研究体の一部としてNEDOの委託により実施したものである。