蛍光剤を用いた2次元温度分布観測システムによるYBCO線材の常電導転移・伝播の可視化
Visualization of Normal-zone Initiation and Propagation in YBCO coated conductor using Fluorescent paints

石山 敦士 , 土屋 元計 , 植田 浩史 (早大);塩原 融 (SRL);加藤 英幸 , 奈良 広一 (産総研)
moto-t*ruri.waseda.jp


Abstract: YBCO線材は高い臨界電流密度、臨界磁界を有しておりケーブルやマグネットなど様々な分野での応用が期待されている。実用化に向けてはYBCO線材の過渡的な熱的特性を調査し、安定化の基準を確立することが重要となる。従来はこの熱的特性は抵抗温度計や熱電対などの定点温度計や電圧タップを用いて測定されていたが、局所的な臨界電流の低下や常電導伝播が開始する温度等を測定するには空間的な分解能に問題があった。著者らはこの問題に対処するために蛍光剤による2次元温度観測システムに着目した。このシステムを用いることで低温環境下で、市販の赤外線を用いたサーモグラフィーシステムのように2次元で温度分布を可視化することができる。今回はこのシステムを用いたYBCO線材における常電導転移・伝播の観測結果を報告する。