高い断面アスペクト比のNbTiモノリス導体の電磁特性評価
Evaluation of electromagnetic properties of NbTi monolithic conductors with high aspect-ratio cross-sections
軸園 昭宏
, 川越 明史 , 住吉 文夫 (鹿児島大);辺見 努 , 柳 長門 , 三戸 利行 (NIFS)
bt202094*ms.kagoshima-u.ac.jp
Abstract:
電力貯蔵装置用超伝導コイルの低損失化と高安定化の両立を目指して、高い断面アスペクト比をもつNbTiモノリス導体を開発し、その電磁特性の評価を行った。本導体は、NbTi/Cu多芯丸線材を従来にないほど極めて高い断面アスペクト比まで圧延したものであり、低コスト化も期待できる。本研究では、アスペクト比が7〜8程度の高い断面アスペクト比をもつ電流容量の異なる二種類のモノリス導体を作製し、それらの臨界電流、磁化、結合損失の測定を行った。その結果、電流容量の小さい方の導体の臨界電流特性は、幅広面に平行な横磁界中で、丸線に比べて約20%向上した。また、電流容量の小さい導体と大きい導体の等価フィラメント径は、それぞれ約40%と50%低減しており、ヒステリシス損失も減少していることが磁化測定結果からわかった。さらに、いずれの導体もCuのみの単一マトリクスであるにもかかわらず、結合損失時定数は数msec程度まで低減できた。