Nb/Ag-Sn fcc相及びNb/Ag-Sn ζ相の相互拡散反応により作られたNb3Sn線材の超伝導特性(3)
Superconducting Properties of Nb3Sn Superconductors made by Diffusion Reaction at Nb/Ag-Sn fcc Phase and Nb/Ag-Sn zeta Phase Alloys (3)

松本 厳 , 井上 廉 (徳島大);菊池 章弘 , 竹内 孝夫 , 木吉 司 (NIMS)
gen_matsumoto*hotmail.co.jp


Abstract: 現在、実用化されているNb3Sn線材のほとんどは、ブロンズ (Cu-Sn合金)法で作られている。この製法の線材はブロンズ中のSn濃度を高めることで超伝導特性が向上します。しかし、ブロンズ法による超伝導特性改善は、限界に達している。そこで、Cuの同族元素のAgに注目した。Cu-SnとAg-Snの平衡状態図を比べてみると、Cu-Sn fcc合金のSn固溶限は9.1at%なのに対して、Ag-Sn fcc相のSn固溶限は11.5at%と高い。そのうえ、fcc相のみならず、ζ相も塑性変形可能な合金である。Ag-Sn ζ相のSn固溶限は22.85at%と極めて高い。このようなAg-Sn合金を用いた新製法でNb3Sn線材を作る事を試みてみた。