磁気光学(MO)法と電磁気的測定によるMgB2多結晶体内の電流制限機構の評価
Evaluation of Current Limiting Mechanism in Polycrystalline MgB2 by Magneto-Optical Imaging Analysis and Electromagnetic Measurements

山本 明保 (東大);Anatolii A. Polyanskii (ASC, Florida State University);岩山 功 , 花房 慶 , 桂 ゆかり , 堀井 滋 , 下山 淳一 , 岸尾 光二 (東大);Ben J. Senkowicz , Xue Yu Cai , David C. Larbalestier (ASC, Florida State University)
tt57140*mail.ecc.u-tokyo.ac.jp


Abstract: 近年積極的に材料化研究が進められているMgB2超伝導体は、その低い異方性と長い超伝導コヒーレンス長に由来して、多結晶体においても粒間の弱結合はないものと考えられてきたが、試料全体の輸送電流特性は単結晶等から予想される値より著しく制限されることが最近明らかになってきている。例えば、0.1 MA/cm2以上のJcを有するスタンダードなバルク体試料においても、試料断面のうち有効な電流パス(コネクティビティ)はわずか数%以下と予想されている。多結晶MgB2の粒界に存在する不純物相や大きな空隙等が電流阻害因子と考えられており、MgB2超伝導材料のさらなる高臨界電流特性化の上でその半定量的な解析は重要である。本研究では、異なる製法により作製し、Jc, 焼結密度、結晶性を系統的に変化させた一連の試料について、磁気光学(Magneto-Optical)測定、磁化測定、輸送電流測定、微細組織観察を行い、MgB2の粒間電流を阻害する因子について調べた。これまでの研究の結果、磁気光学測定と電磁気的測定の双方において、MgB2多結晶体内における結晶粒間の弱結合の兆候(グラニュラーな振舞い)が観測された。