SQUID顕微鏡によるYBCOマルチフィラメント線材における電流分布の評価
Evaluation of current distribution in multi-filamentary YBCO coated conductor by using scanning SQUID microscopy.

中村 知也 , 井上 昌睦 , 木須 隆暢 (九大); 鹿島 直二 , 森 匡見 , 長屋 重夫 (中部電力);衣斐 顕 , 山田 穣 , 塩原 融 (SRL)
t_nakamura*super.ees.kyushu-u.ac.jp


Abstract: YBCO線材を用いた交流応用機器における交流損失の低減のため、細線化、マルチフィラメント化が検討されている。YBCO線材においては結晶構造の不均一性を反映して電流分布が複雑になることが明らかとなっており、フィラメント構造の最適化のためには、マルチフィラメント化した際に流れる電流を直接可視化する事が重要となる。本研究ではCVD法により作成されたYBCO線材をマルチフィラメント状に加工し、SQUID顕微鏡を用いて通電時の電流分布の評価を行った。フィラメント数は3本で、各フィラメントとも幅100マイクロメートル、長さ500マイクロメートルである。また、各フィラメント間の間隔は50マイクロメートルとしている。モノフィラメントにおける測定時と同様に、電流が光学顕微鏡で確認される欠陥部分を迂回するように流れている様子や、電流が偏って流れフィラメントごとに流れる電流値が異なっていることが観察された。また、電流計測は定量的に行われた。実験結果の考察など詳細は当日会場にて報告する。なお、本研究は超電導応用基盤技術研究開発の一環として、ISTECを通じてNEDOからの委託を受けて実施すると共に、日本学術振興会の科研費(18360153)の助成を得て行ったものである。