シングルグレインSm123バルク超電導体の液体窒素温度における曲げ特性
Bending mechanical properties of a single-grain Sm123 bulk superconductor at liquid nitrogen temperature
弘前大理工A,岩手大工B
Faculty of Science and Technology, Hirosaki University
村上 明A,片桐 一宗B,宮田 寛A,笠場 孝一B,正路 良孝B
amura*mech.hirosaki-u.ac.jp
Abstract :
銀が10 wt%添加されたシングルグレインSm123バルクから切り出した試験片のc軸方向への3点曲げ静的負荷および繰返し負荷による試験を、液体窒素温度において行った。静的負荷によるヤング率および曲げ強さには、66〜149 GPaおよび38〜107 MPaのばらつきが見られた。曲げ強さの最大値は、種結晶に近い位置において得られ、銀が添加されてないY123バルクの最大値と等しく、10 wt%添加されたGd123バルクのそれよりもやや低い。一方、最小値は、Y123およびGd123バルクのそれ(74および83 MPa)よりも著しく低い。曲げ強さの低い試験片の応力−ひずみ曲線には、例外的な欠陥の存在による著しい非線形挙動が見られた。このような試験片を除くと、最小値は62 MPaであり、他のバルクのものに匹敵する。50,000回までの繰返し負荷による破壊応力には、70〜90 MPaのばらつきが見られた。これにより、耐久限度は60 MPa程度であると考えられる。静的負荷による曲げ強さと同様に、種結晶に近い位置での破壊応力は高いが、種結晶直下では、それほど高くない。
Keyword(s) :
Sm123バルク,ヤング率,曲げ強さ,耐久限度,液体窒素温度,フラクトグラフィ