ITERトロイダル磁場コイル構造物の製作性検討
Fabrication study of ITER toroidal field coil structure
原研
Japan Atomic Energy Research Institute
濱田 一弥,中嶋 秀夫,杉本 誠,阿部 加奈子,喜多村 和憲,奥野 清
hamada*naka.jaeri.go.jp
Abstract :
原研は、国際熱核融合実験炉(ITER)のトロイダル磁場(TF)コイル構造物の製作性検討として、素材試作及び製作方法検討を産業界と協力して実施している。TFコイル構造物は、主にコイル容器及びラジアル・プレート(RP)から構成され、高強度ステンレス鋼(JJ1)、強化型SS316LN鍛造材及び316LN熱間圧延板を組み合わせた溶接構造物である。JJ1は、これまで鍛造時の割れが問題となっていたが、今回の試作では、ボロンを添加することにより、鍛造時の割れを低減でき、大規模試作(10ton)に成功した。一方、高窒素添加(N=0.20%)の強化型316LNについても、大規模溶解を実施し、鍛造材及び熱間圧延材を試作し、素材の製造性を確認した。コイル容器及びRPの製作方法については、既存の加工設備や素材製作能力を考慮した検討を行った。この中で、JJ1及び強化型SS316LNについては、溶接及び加工試験を行って詳細な加工特性データを得た。また、形状が複雑なRPについては、溝寸法は実機と同じで長さ1mの小規模試作体を製作して、加工特性、変形を詳細に測定した。これらの素材試作、製作方法の検討及び試作により、ITER実機構造物の調達に向けた準備を進展させている。
Keyword(s) :
ITER,superconducting coil,SS316LN,JJ1,toroidal field coil,structure