Ti-6Al-4V ELI合金の極低温疲労特性に及ぼす微小切欠きの影響
Small notch effects on cryogenic fatigue properties of Ti-6Al-4V ELI alloy.
物材機構
National Institute for Materials Science
由利哲美,小野嘉則,緒形俊夫
YURI.tetumi*nims.go.jp

Abstract : これまでに著者らは、国産実用ロケット材料の信頼性向上のためにヒューマンエラー等による加工痕を想定した微少な切欠きをTi-5Al-2.5Sn ELI合金の試験片に付与し、極低温における疲労強度に及ぼす切欠きの影響について報告している。それらによると、微少な切欠き材の疲労強度はチタン合金特有の欠陥によらない内部疲労破壊起点部の大きさが影響すること等を明らかにしている。Ti-5Al-2.5Sn ELI合金と並び代表的なチタン合金であるTi-6Al-4V ELI合金は、Ti-5Al-2.5Sn ELI合金よりも静的強度が優れているので、より良好な疲労強度が期待される。しかしながら、Ti-6Al-4V ELI合金の極低温における疲労特性に及ぼす微少な切欠きの影響についての報告は見あたらない。本研究では、Ti-6Al-4V ELI合金の結晶粒径の異なる材料を用いて、極低温疲労特性に及ぼす微小な切欠きの影響について調べたものである。
Keyword(s) : 疲労特性,切欠き,Ti-6Al-4V ELI,結晶粒径,極低温,