熱電対を用いた温度変動の測定
Measurement of temperature oscillation by using a thermocouple
A名古屋大学,B愛知教育大学
Department of Crystalline Materials Science, Nagoya University
田代雄亮A,琵琶哲志A,矢崎太一B,水谷宇一郎A
tashiro*mizu.xtal.nagoya-u.ac.jp

Abstract : 熱音響現象の理解はエネルギー流の観点から行われている.圧力と流速の同時測定から,エネルギー流の一つである仕事流が実測され,熱音響エネルギー変換の実験的解明につながってきた.更なる熱音響現象の解明に熱流・エンタルピー流の実測が急務である.我々は先の低温工学の発表に引き続いて,エンタルピー流の測定に必要となる温度変動の測定手法を提案する.管内音波を担う流体要素は圧力変動に起因し,温度もまた音波の振動数で変動する.この温度変動を我々は熱電対を用いて測定してきた.熱電対の有限な熱容量,熱電対周りの境界層の影響から,熱電対の応答は実際の温度変動に対して振幅は小さく,位相が遅れていることがこれまでにわかった.しかし補正因子を加えることで実際の温度変動が測定可能であることがわかった.またパルス音波を使用することで広い周波数帯の補正因子を一度に決定できることもわかった.今回我々はパルス音波を用い,さらに管の内径を変えて同様の実験を行った.管の内径を変化させてもすべての実験で周期的に行った実験とよく一致し,パルス音波の有効性をさらに高めることに成功した.当日はパルス音波の詳細及び測定手法を述べたい.またこの補正因子を用いて熱電対を温度勾配のついた管内に挿入し,その中の温度変動も紹介するつもりである.
Keyword(s) : 熱音響現象,温度変動,熱電対,,,