Sm/Ba組成比の異なるLTG-Sm1+xBa2-xCu3Oy薄膜の転位密度と臨界電流密度
Dislocation density and Jc in LTG-SmBCO thin films with various Sm/Ba composition ratio.
名大工A, 京大工B, 電中研C, 東大工D, 山形大工E, CREST-JSTF
Graduate school of engineering, Nagoya University
三浦正志AF, 舩木修平AF,一野祐亮AF, 吉田 隆AF, 高井吉明A, 松本要BF, 一瀬 中CF, 堀井 滋DF, 向田昌志EF
m-miura*ees.nagoya-u.ac.jp
Abstract :
我々は、低温成膜(LTG)プロセスを用いて超伝導層のSm/Ba組成比をx=0.00 - 0.12のと変えLTG-SmBCOを作製してきた。その結果、超伝導層の組成比は自己磁場Tc, JcやPCとなるナノサイズのSm-rich相の密度などに影響し、この結果、x=0.04のLTG-SmBCO薄膜は5Tまで実用化線材NbTiと同等のJcを示すことを報告してきた。本研究では、超伝導層のSm/Ba組成比が低磁場におけるJcに及ぼす影響の検討を行った。Sm/Ba組成比の異なるLTG-SmBCO薄膜の単一磁束(B*)を検討した結果、ストイキオメトリーに近い薄膜ほど高い値を示し、x=0.04のLTG-SmBCO薄膜が0.06Tと最も高い値を示した。B*を決める要因として結晶性、転位等の1D及び2D-PCが影響していることが考えられる。すべての LTG-SmBCO薄膜は結晶性が良好であることから、B*の違いはPCであると考え、エッチピット法により転位の評価を行った。その結果、ストイキオメトリーに近い薄膜ほど転位数が多いことが確認された。この結果より、超伝導層の組成は、Sm-rich相だけでなく、低磁場で有効に働く転位に影響することが考えられる。
Keyword(s) :
薄膜,Jc,Sm1+xBa2-xCu3Oy,転位,PLD,