(100)及び(111)法線配向膜のアシストイオンビームによるスパッタリングレートの比較
Comparison of sputtering rates on (100)- and (111)-out-of-plane-aligned films irradiated by assisting beam
A超電導工学研究所 名古屋線材センター, B超電導工学研究所 線材研究開発部
Nagoya Coated Conductor Center, SRL-ISTEC
宮田成紀A,衣斐顕A,室賀岳海A,渡部智則A,山田穣A,塩原融B
miyata*istec.or.jp

Abstract : IBAD法における配向機構についての考察を行うため、アシストイオンビームによるスパッタリングレートの違いを(100)及び(111)の2種類の法線配向構造をもった膜について比較した。IBAD法による二軸配向の起源については、主に再スパッタ機構とダメージ機構の2つが提唱されているが、再スパッタ機構においては基板法線方向に(100)面が向き、アシスト方向に<111>軸が向いた結晶粒が最もスパッタされ難いとする仮定を前提としている。しかし今回、(100)及び(111)の法線配向構造をもった2種類の膜を用いてスパッタリングレートを評価した結果、IBAD型の(100)法線配向膜よりも、(111)面が法線方向に配向した膜の方がよりスパッタされ難いことが分かった。このことは、少なくともGd2Zr2O7を用いたIBAD法による二軸配向膜に関しては再スパッタ機構が適用できないことを示している。
Keyword(s) : IBAD,Gd2Zr2O7,配向機構,coated conductor,,