異なる運転温度におけるエネルギー貯蔵用高温超電導コイルの最適形状
Optimal configurations of HTS coil for energy storage at different operating temperature
京都大学
Department of Electrical Engineering， Graduate School of Engineering， Kyoto University
東川 甲平， 中村 武恒
kohei*asl.kuee.kyoto-u.ac.jp
Abstract :
本研究では，SMESへの適用を志向した高温超電導コイルの最適設計手法を開発し，Bi-2223/Agテープ材を用いたトロイダル型について最適設計を行った。設計条件は，設定された運転温度・蓄積エネルギー，および設定値以下の損失における上記テープ材使用量の最小化である。損失の評価には3次元有限要素法を適用し，パーコレーション遷移モデルに基づく定量評価式（広範囲の温度（20-77 K）・磁界（0.02-3 T）・磁界印加角度（任意）で測定値との一致を確認）を導入している。さらに，損失の評価には熱解析を適用しており，コイル内の温度分布と同時にクエンチの有無も考慮している。一方，最適形状の探索には，目的関数が複数の局所的最適解を有しても対応できる遺伝アルゴリズムを用いている。以上の手法により，設定された運転温度・蓄積エネルギーにおいて，冷凍機の能力・許容できる永久電流の減衰・運転コスト等によって設定される損失以下で，製作コスト低減・小型化等を目的としたSMES用高温超電導コイルの設計が可能であると考えられる。発表当日には，様々な運転温度における必要線材量や最適形状を報告する予定である。
Keyword(s) :
最適設計,パーコレーション遷移モデル,有限要素法,遺伝アルゴリズム,熱解析,Bi-2223/Agテープ