高磁界下におけるYBCO/IBAD線材内の磁束フロー損失の可視化
Imaging of non-uniform flux flow dissipation in YBCO/IBAD coated conductor under the influence of high magnetic field
A九州大学，B超電導工研
Kyushu University， Research Institute of Superconductor Science and Systems
木須隆暢A，井上昌睦A，徳富英明A，庄山俊弘A，今村和孝A，揖斐 顕B，渡部智則B，山田 穣B，塩原 融B
kiss*sc.kyushu-u.ac.jp
Abstract :
YBCO線材の臨界電流（Ic）特性の改善を支援する評価手法として、高磁界対応型低温レーザ顕微鏡システムを開発し、５Ｔまでの外部磁界中でYBCO線材内の磁束フロー損失の分布をマッピングする事に初めて成功した。印加電流の増大に伴って、局所的に弱い領域から損失が発生しており、臨界電流値を制限していることを示した。Ic向上のためには均一性のさらなる向上が有効であると考えられる。低Ic領域の頻度は、数10um〜数100um程度の間隔で現れており、IBAD層やYBCO層のグレインサイズに比べて遙かに大きい。したがって、結晶粒はあるドメイン構造を形成し、その揺らぎによって局所的Icの不均一性が支配されていると考えられる。さらに、同じ電圧基準で定義したIcに到達した状態での損失分布に対する外部磁界の影響を明らかとし、磁界領域によって電流制限因子が異なることを示した。低磁界中ほど局所的不均一性による損失局在の影響が顕著であるのに対し、高磁界になるに従って、よりバルクの特性が支配的になる。すなわち、高磁界側ではピンの導入が有効な事を示している
Keyword(s) :
YBCO線材,臨界電流,分布,磁界,低温レーザ顕微鏡法,