次世代加速器用Nb3Al超伝導線材の開発

Development of Nb3Al superconducting wire for future accelerator magnets


岡本佳祐,関佳隆,大野雅人,萩野純也,中村一也,高尾智明(上智大);土屋清澄,満田史織,寺島昭男(KEK);竹内孝夫,伴野信哉,二森茂樹(NIMS)
seki-y*sophia.ac.jp

Abstract:  今回の報告ではRHQT法による加速器マグネット用のNb3Al線材の近年の開発状況について発表する。開発の主な目的はnon-Cu Jcを増加させることと、良い安定化の方法を見つけることである。前者の目的に対しては、異なったNb-matrix比の試験用線材が作られ、Jcに関するその比率の効果のRHQプロセス後の熱処理及び減面との相関について調べられた。後者の目的に関しては、線材表面に薄い銅層を接着させるために、特別な銅メッキの技術が開発された。その銅メッキ層の機械的接合強度と電気特性は線材を曲げたり、引き伸ばすことにより、そして、その抵抗値を測定することにより調べられた。安定化銅を施されたNb3Al線材の現在の小片サンプルの長さは、40cmほどであるが、我々は伸線作業により、安定化銅の接着を壊すことなく、また、線材を切ることなく、元の直径より60%まで線径を小さくすることが出来ている。これまでの本研究で達成されたnon-Cu Jcの最大値は10T、4.2Kにおいて、2156 A/mm2である。