ITER中心ソレノイド（CS）インサートのクエンチ試験の解析
Simulation of Quench Tests in the ITER Central Solenoid （CS） Insert
高橋良和
，吉田清，枝谷昌博（ITER-IT）；名原啓博（原子力機構）
takahasi*naka.jaeri.go.jp
Abstract: クエンチ時の導体の振舞いを明らかにするため、CSインサートのクエンチ実験を直流およびパルス・モードのいろいろな条件で行った。その導体は実機CSとほぼ同じ形状とパラメータを有している。導体の長さは約140ｍである。直流モードにおいて、導体の中央部の磁場の高いところに取付けられた誘導ヒータにより人為的にクエンチを起した。また、パルス・モードにおいて、CSインサートは0.4-2 T/sの挿引速度でクエンチした。これらのクエンチ実験における導体内の電気的および熱流体的振舞いのシミュレーションを、解析コードを用いて行った。その結果は、実験結果とよく一致した。これらの結果とITERにおける実機CSのクエンチ検出について議論する。実機CSのクエンチ検出は、ピックアップ・コイルを用いた電圧法で行う予定である。その感度やクエンチ時の導体の最高温度について検討した結果により、設計されたITER-CSのクエンチ検出システムは十分な検出感度を有することが示された。