高速多重極法を用いた超電導体を含む3次元電磁界解析

3D Analysis of Electromagnetic Field including Superconductor using Fast Multipole Method


植田 浩史,石山敦士(早大)
hiroshi-ueda*aoni.waseda.jp

Abstract:  我々は,これまで有限要素法や境界要素法を用いて超電導体を含む電磁界解析手法を研究・開発してきた。しかし,multifilamentな線材やcoated conductorを用いた送電ケーブルなどの電力機器の詳細な電磁界解析には解析対象を細かく分割する必要があるため,メモリ容量が大きくなり,また計算時間も膨大となり,数値解析が困難であった。近年,多体間の相互作用の近似値を高速計算する手法として高速多重極法が研究され,発達してきた。この手法を境界積分方程式(境界要素法)の計算に適用することによって,非対称密行列を高速に解くことが可能になり,従来困難だった数値解析ができるようになった。今回,高速多重極法を導入した有限要素・境界要素併用法を用いた3次元電磁界解析プログラムを開発し,例としてバルク超電導体を用いた磁気浮上装置の特性評価を行ったので報告する。