a軸配向NBCO薄膜を用いた膜厚変化形素子1

Fabrication of the variable thickness bridges in a-axis oriented NdBa2Cu3O7-y thin films.


大河 勇樹,常盤貴彦,守屋雅隆,水柿義直,宇佐美興一,小林忠行(電通大)
ookawa*w8-7f.ee.uec.ac.jp

Abstract:  膜厚変化形ブリッジ(VTB)は超伝導薄膜に微小な間隙をつけた非常に単純な構造で、人工的な界面を持たない平面形の弱結合素子である。このため、その電気的特性には高温超伝導体特有のd波対状態の性質が現れると考えられる。本研究ではa軸配向NdBa2Cu3O7-y(NBCO)薄膜をLaSrGaO4(100)(LSGO)基板上に堆積し、結晶軸に対してc軸方向からb軸方向へ沿った異なる5方向に電流の流れるVTBを作製してその電気的特性を測定した。VTB加工前段階としてVTBの電極(バンク部)幅を5umにした。その電極の抵抗−温度特性、電圧−電流特性から、電極の抵抗値、臨界電流密度の違いがみられた。抵抗値はc軸に平行な電極で高く、b軸方向の約5倍であった。他方、臨界電流密度はb軸に平行な電極で高く、c軸方向の約15倍であった。作製したVTB部分のブリッジ長(間隙幅)は80-100nmであり、必要とするブリッジ長に較べ長い。より短いブリッジ長のものを作成する必要がある。