超電導バルク体作製における有機バインダー添加プロセスの適用

Employment of organic binder addition in fabrication of bulk superconductors


成木 紳也,坂井直道(SRL);村上雅人(芝浦工大);平林泉(SRL)
nariki*istec.or.jp

Abstract:  セラミックス材料を粉末冶金法で作製する際、原料粉に有機バインダーを添加し、造粒を行うと、プレス金型への原料の高速充填に伴う生産効率の向上や、成形体の強度向上による製品の大型化、複雑形状化が容易となり、製造歩留りも向上する。そのため、工業的に生産されている殆どのセラミックス製品は原料にバインダーを添加して製造されている。一方、バインダー添加プロセスの適用に際しては、炭素の残留やそれに伴う酸素の還元、造粒粉強度の最適化、脱バインダー時におけるクラックの発生など、解決すべき課題も多く、溶融法による超電導バルクの作製においてバインダーを添加した例は非常に少ない。本研究では、将来における超電導バルク材料の量産化、大型化を鑑みて、Gd123系バルク材料の作製時に、原料粉にアクリル系バインダーを添加し、得られた材料の特性、脱バインダー条件の影響等について基礎的検討を行ったので報告する。