CIC導体の素線変位計測による長時定数損失の検討

Investigation of coupling loss with long time constant by measuring strand trajectories in CIC conductor


谷貝剛,佐藤秀成,津田理,濱島高太郎(東北大);布谷嘉彦,高橋良和,奥野清(原子力機構)
gaiya*ecei.tohoku.ac.jp

Abstract:  大型導体に用いられる長尺CIC導体では、短尺の試験サンプルでは観測されない10秒を越える長時定数の結合損失が観測されており、素線の変位による素線間接触抵抗の減少がその原因と考えられている。本研究において実際に1m長で81素線(3×3×3×3)のサンプル導体を約11mm毎に切断し、素線軌跡の詳細な計測を行った結果、断面が正三角形のトリプレット形状から変形したものが、平均27%あることがわかった。また、素線間接触長も2次サブケーブル内で平均13.7mm、3次内で7.6mm、4次内で3.7mmと見積もられた。2次、3次サブケーブル内の結合電流ループの時定数が比較的長いと予想されるが、ループの特性長が短く、インダクタンスが小さい上、変動磁界の鎖交面積は、多数のループ同士が相殺しあい、極めて小さい。一方4次ケーブル内のループの鎖交面積は2,3次内ループのそれより3桁以上も大きい。4次ケーブル内ループの特性長が撚りピッチの最小公倍数で決まると仮定すると、実測された素線間接触長から推定される接触抵抗を用いて算出される最長時定数は11secになることが示唆された。