クローズドサイクル式冷凍機を用いた比熱容量測定装置の開発
Development of heat capacity measurement apparatus by use of closed-cycle refrigerator
加藤 英幸
(産総研);舘野亜紀子,後藤修一,青木五男(ジェック東理社);川路均,阿竹徹(東工大)
kato-hideyuki*aist.go.jp
Abstract: クローズドサイクル式冷凍機を用いることで測定の大幅な簡便化を期待できる装置に断熱型比熱容量測定装置がある。寒剤不使用でメンテナンスフリー、長時間の安定した連続測定、システム全体の完全全自動化などにメリットがある。筆者の一人がこれまでにGM冷凍機を用いた断熱型比熱容量測定装置の開発を試みたが、冷凍機の振動が温度測定に1mK程度のノイズを生じさせることを確認しており、冷凍機使用の最大の課題がこの振動対策であると言える。新たに、より振動の影響の少ないパルスチューブ冷凍機を用いて十分な振動対策を講じた測定装置の試作を行ったところ、振動の影響をほぼ完全に除去することができた。その上で従来品と同等の性能を持つ断熱型カロリメータを導入し、20K〜300Kの温度範囲をカバーできる比熱容量測定装置の基本システムを立ち上げた。現在、装置の基本性能評価を進めており、その結果について紹介する。