蓄熱器低温端から出力された仕事流を再利用するパルス管冷凍機
Pulse tube cooler recovering work flow emitted from the cold end of a regenerator
上田 祐樹
,加藤千幸(東大)
uedayuki*iis.u-tokyo.ac.jp
Abstract: オリフィス型パルス管冷凍機は低温部に可動する機構を持たないスターリング冷凍機と見なせる.低温部に可動する機構が無いため,オリフィス型パルス管冷凍機はスターリング冷凍機に比べて低振動,長寿命を実現できる.しかし,スターリング冷凍機の効率の上限がカルノー効率に等しいのに対して,オリフィス型パルス管冷凍機の効率の上限はカルノー効率に比べて低い.これは,蓄熱器低温端から出力された仕事流がスターリング冷凍機では低温側ピストンによって再利用されるのに対して,オリフィス型パルス管冷凍機ではオリフィスで散逸されるからである.そこで,我々は低温部に可動する機構を持たず,さらに蓄熱器低温端から出力された仕事流を再利用するパルス管冷凍機を製作した.作動流体として大気圧空気を用い,投入仕事流の大きさが3.8Wの時,室温から約25℃低い2℃を得た.