トロイダル磁場コイル用構造物の試作による製作技術開発

Development of production technology through the trail fabrication of structures for the toroidal field coil


中嶋 秀夫,濱田一弥,阿部加奈子,高野克敏,堤史明,河野勝巳,奥野清(原子力機構)
nakajima*naka.jaeri.go.jp

Abstract:  国際熱核融合実験炉(ITER)のトロイダル磁場コイルは、幅約10m、高さ約17m、総重量約300トンのこれまでにない大型超伝導コイルであり、大電磁力に耐える構造とするため、超伝導導体はラジアル・プレ−トと呼ばれるステンレス製の溝付き板に巻かれ、さらに、巻線部は極厚のコイル容器に収められている。この大型構造物を合理的に製作し、かつ、製作時の技術的リスクを軽減するためには、実機大のモデル試作を通して、大型素材製作技術、機械加工技術、溶接技術等の製作技術の開発を進める必要がある。このため、日本原子力研究開発機構は、鉄鋼、重工メーカーと協力して、大型鍛鋼品、極厚熱間圧延板の試作と極低温機械特性の評価及び実機大構造物の試作を進めている。これまでに極厚極低温構造材料の試作及び4K引張特性の評価が終了し、ITERの要求を満足する部材の製作見通しを得た。また、ラジアル・プレ−トの試作を通して、実機へ適用できる合理的製作方法を立案した。