ＬＨＤヘリカルコイルとモデルコイルの冷却安定性の比較
Comparison of cryogenic stability between LHD helical coils and the model coil.
今川 信作
，柳長門，濱口真司，三戸利行（NIFS）
imagawa*LHD.nifs.ac.jp
Abstract: 大型ヘリカル装置のヘリカルコイルの冷却安定性を改善するために，減圧熱交換器を追加して冷媒供給温度を約4.4 Kから約3.1 Kに低下させる改造が計画されている。冷媒温度の低下による冷却安定性の改善効果を定量的に調べるために，ヘリカルコイルと同一仕様の導体を用いて製作されたモデルコイルの飽和および過冷却ヘリウム中での冷却安定性試験を行ってきた。その結果，常伝導伝播（片側伝播）が始まる電流値は，4.4 K飽和ヘリウム中では温度履歴に対応して10.7から11.2 kAの範囲で変化するのに対して，過冷却ヘリウム中ではサブクール度に比例して再現性良く上昇し，3.5 Kでは11.7 kAまで上昇する結果が得られている。ＬＨＤヘリカルコイルの冷却温度を4.4 Kから約3.5 Kに低下させることによる安定性改善効果を定量的に予測するためには，現状のヘリカルコイルとモデルコイルの飽和ヘリウム中の冷却安定性を比較する必要がある。熱平衡方程式を用いて常伝導伝播速度からを実効的な熱伝達率を求めた比較結果について報告する。