J-PARCニュートリノビームライン用超伝導電磁石システム(9)
ー実証機及びプロトタイプ改造機の冷却試験結果ー

Superconducting magnet system for the J-PARC neutrino experiment(9)
-Test results of prototypes of superconducting combined function magnets at 4.2 K-


佐々木 憲一,中本建志,木村誠宏,安島泰雄,荻津透,東憲男,飯田真久,大畠洋克,岡村崇弘,都丸隆行,槙田康博,山本明(KEK)
ken-ichi.sasaki*kek.jp

Abstract:  高エネルギー加速器研究機構(KEK)と東大宇宙線研が共同で行ってきた長基線ニュートリノ振動実験の成功を受け、東海村に建設中の大強度陽子加速器J-PARCの50GeV-750kW陽子ビームを利用した次期ニュートリノ振動実験計画が進行中である。日本原子力研究所(JAERI)とKEKが共同建設しているJ-PARCにおいて、加速された陽子ビームをターゲットへ導くビームラインには2.6Tの2極磁場と19T/mの4極磁場を同時に発生するコンバインドファンクション型超伝導電磁石が採用された。この超伝導電磁石が28台ビームラインに並べられ、超臨界ヘリウムにより5K以下に冷却される。これまでKEKでは、設計した電磁石の性能を確認するためのプロトタイプ機、及び技術移転を目的としてメーカーにより開発された実証機の冷却励磁試験を終了し、クエンチ保護に関して若干変更の必要性が認められたものの、両磁石ともほぼ設計どおりの性能を確認している。現在、溶接補修およびクエンチ保護ヒーター取り付けのために組みなおされたプロトタイプの改造機を縦型クライオスタットで冷却励磁試験するための準備を行っている。本発表では、実証機およびプロト改造機の試験結果について報告する。