J-PARCニュートリノビームライン用超伝導電磁石システム(8)
-現状および全体計画-

Superconducting magnet system for the J-PARC neutrino experiment (8)
-Status and Overall Schedule-


荻津 透,中本建志,佐々木憲一,都丸隆行,木村誠宏,安島泰雄,東憲男,大畠洋克,岡村崇弘,槙田康博,山本明(KEK);市原直(三菱電機)
toru.ogitsu*kek.jp

Abstract:  高エネルギー加速器研究機構(KEK)と東大宇宙線研が共同で行ってきた長基線ニュートリノ振動実験の成功をうけ、東海村に日本原子力研究所(JAERI)とKEKが共同で建設している大強度陽子加速器J-PARCの50GeV-750kW陽子ビームを利用した次期ニュートリノ振動実験計画が承認され、平成16年度から建設が進められている。この計画においては、50GeVリングから北向きに射出された陽子ビームを西側にあるスーパーカミオカンデの方向に向けて曲げた上でターゲットに当てる必要がある。これを限られた土地と予算の制約の中で実現する為に2.6Tの2極磁場と19T/mの4極磁場を同時に発生するコンバインドファンクション型超伝導電磁石が採用された。ビームラインの超伝導部は150mの長さで陽子ビームを約80度曲げ、28台のコンバインドファンクション型超伝導電磁石から構成される。超伝導電磁石のR&Dは平成14年度から始まり、2台のプロトタイプ磁石の成功を受けて今年度から磁石システムの量産が始まった。本講演では計画の概要、量産に向けての現状、および今後の予定について報告する予定である。