多角形配置したYBCO薄膜超伝導体の通電損失(1)
-測定法と測定結果-

Transport loss of polygonal-assembled YBCO film conductors (1)
-Experimental method and results-


�丸山 修A,姜 哲男A,雨宮尚之A,安田 健次B
横浜国大・工A,Super-GMB

YBCO薄膜超伝導体は電力ケーブルや限流器などへの応用が注目を集めている。このような応用を考慮した場合、大電流容量化を実現するために薄膜超伝導体を並列接続するという方法が検討されている。その際の幾何学的配置に多角形配置が1つの選択肢として考えられるが、この時重要なのは通電損失の低減である。著者らは四角形に配置した幅が10mmのYBCO薄膜超伝導体の集合体、八角形に配置した幅が5mmのYBCO薄膜超伝導体の集合体の通電損失を測定した。また、実験結果を幅10mmのYBCO薄膜超伝導体での通電損失の測定値からスケーリングした幅40mmの薄膜超伝導体の通電損失値と比較し、さらに幅40mmの薄膜超伝導体のNorrisのストリップモデル、周長が40mmの円筒状薄膜超伝導体のモノブロックモデルと比較した。八角形に配置したYBCO薄膜超伝導体の集合体と四角形に配置したYBCO薄膜超伝導体の集合体の通電損失はそれぞれ幅が40mmの薄膜超伝導体のNorrisのストリップモデルの16分の1から31分の1、3分の1から4分の1に減少した。また、八角形に配置した幅が5mmのYBCO薄膜超伝導体の集合体の通電損失の測定値はモノブロックモデルより大きくなったが、これは八角形に配置したYBCO薄膜超伝導体の端部に垂直磁界がかかるからと考えられる。
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