圧力測定による細管内音波の仕事流の測定
Evaluation of work flow in narrow tubes by means of pressure measurements
名大院工A,愛教大B
°野村浩史A,上田祐樹A,田代雄亮A,琵琶哲志A,矢崎太一B,水谷宇一郎A
E-mail : nomura*mizu.xtal.nagoya-u.ac.jp
Keyword(s) : 細管内音波,分散関係,仕事流,熱音響現象,,
熱音響エンジンやパルス管冷凍機などの熱音響機器を理解する上で仕事流の測定は必要不可欠である。仕事流は流速変動と圧力変動の積の時間平均で定義される。これまで圧力と流速を直接測定して，仕事流を実験的に決定してきた。先の学会において，流速を測定せず，圧力測定だけで共鳴管内の仕事流が測定可能であることを実験的に示した。この手法では境界層近似による流速の動径分布と分散関係を用い，2点で測定された圧力を使って，その中間点での圧力と流速を求め，仕事流を決定する。しかし，境界層近似を用いる限り，音波の粘性境界層の厚さに比べて管の内径が十分大きいときしか適用できないため，細い管内の仕事流を求めることは不可能である。そこで，今回は粘性境界層の厚さと同程度の半径を持った細い管内の仕事流を圧力測定で決定する手法について報告する。このとき，厳密な流速の動径分布と分散関係を利用して，中間点での圧力と流速を求めることで，圧力測定だけから細管内の仕事流を決定できることを実証する。細い管内で仕事流が決定できれば，圧力と流速の同時測定による手法では困難な蓄熱器や蓄冷器の細い管内において，仕事流の増幅や減衰からエネルギー変換の様子を明らかにできる。