蒸発ガス法による交流損失測定装置の開発
Development of AC loss measurement system by the boil-off method


A九州電力,B鹿児島大学,C古河電工,D大陽東洋酸素
°岡元洋A,住吉文夫B,三好一富C,鈴木佳明D
E-mail : hiroshi_a_okamoto*kyuden.co.jp
Keyword(s) : 交流損失測定,交流損失,酸化物コイル,交流コイル,,

液体窒素温度における高温超電導コイルの交流損失を簡便に測定・評価するために,熱的な測定法の一つである蒸発ガス法による装置を開発した。蒸発ガス法は超電導体の損失による発熱を冷媒の蒸発量から直接測定するもので,電気的な測定法に比べて測定データの信頼性が高いと考えられる。本測定装置は,蒸発ガス量の測定感度を向上させる対策によって,感度0.1W以下を達成した。主な対策は,(1)測定試料を収納する試料容器等の非金属・断熱化,(2)それらのサイズ(厚み等)の最適化,(3)ヒーターによる蒸発ガス発生の安定化である。なお,本測定装置は高温超電導線材・導体の通電損失,磁化損失およびそれらの全損失の測定や複雑な形状の試料の損失測定も可能である。