ポインチングベクトル法によるソレノイドコイル状長尺高温超伝導線材の交流損失測定 (4)
AC Losses Measurement of Long High Temperatures Superconducting Tapes or Wires Wound into a Solenoidal-Coils by the Poynting Vector Method (4)


鹿児島大
°川畑陽一,川越明史,住吉文夫
E-mail : ee00021*h12.eee.kagoshima-u.ac.jp
Keyword(s) : 交流損失,同時掃引,ポインチングベクトル法,Bi2223,長尺,ソレノイドコイル

実際に超伝導機器として高温超伝導線材が使用される場合、長尺線材であるため、長尺超伝導線材の交流損失を、輸送電流と外部磁界の様々な条件下で定量的に評価する必要がある。そこで、本研究ではポインチングベクトル法を応用して、長尺超伝導線材の交流損失測定を行っている。本測定方法では交流損失の値を得るために、長尺線材の内側と外側に設置されたピックアップコイルとポテンシャルリードのペアをコイル軸方向に動かし、円筒状の空間に入り込むポインチングベクトルを測定する。これまでに、交流外部磁界のみ印加、また輸送電流と交流外部磁界を同時に印加した時の交流損失測定を行い、本測定装置で長尺線材の交流損失を測定できることを示した。しかしながら、外部磁界を印加すると、交流損失の測定値に影響しない損失性の電界が観測され、ポインチングベクトルの分布に傾きが観測された。そこで、この電界の原因を調べるためにサンプルを銅テープ、ステンレステープ線材に代えて同様の測定を行った。その結果、観測された損失性の電界は、超伝導線材の特有の現象ではなく、本測定装置の形状、もしくは本測定法に起因していることがわかった。