高空間分解能μ-SQUIDを用いたマウス生体磁気計測システムの開発
Development of mice biomagnetic measurement system using high spatial resolution μ-SQUID magnetometer
A早大,B産総研,CSIINT
°石山敦士A,小野弓絵A,葛西直子B,茅根一夫C
E-mail : atsushi*waseda.jp
Keyword(s) : 生体磁気計測,μSQUID,マウス,疾患モデル小動物,心磁図,脳磁図
近年,脳神経・循環器疾患の機序解明や早期予防法の確立を目的として,遺伝子改変技術を応用した種々の疾患モデルマウスが作製されている。これらの疾患モデルマウスに対して脳磁図・心磁図等の生体磁気計測を行うことは,ヒトと同じモダリティに表れる疾患情報の知見を与えるものとして重要だと考えられる。我々は,μ-SQUID磁気センサを用いてマウス用生体磁気計測システムを開発した。体躯の小さいマウスの脳や心臓から発する電気生理学的信号を高空間分解能で計測するため,有効直径0.3mmのマグネトメータを用いた。また,デュワー底部と検出コイルとのリフトオフ距離を0.7mmとし,測定対象と検出コイル間との距離を小さくすることにより空間分解能と磁気感度の向上を図った。本システムの最小空間分解能は0.5mmであり,ノイズレベルはホワイトノイズ領域(10Hz〜10kHz)において1.3pT/√Hz,1Hzにおいて0.3nT/√Hzであった。本システムを用いてマウスの心磁図計測実験を行い,開発したマウス生体磁気計測システムの有効性を確認した。