新しい共蒸着条件によるAs-grownMgB2薄膜の最適化と構造・物性評価
Structural and physical properties of as-grown MgB2 film using novel co-evaporation conditions


Aいわて産業振興センター,B岩手大学工学部,C岩手大学大学院
°原田善之A,入宇田啓樹B,黒羽正規B,高橋輝一C,中西良樹C,吉澤正人C
E-mail : yharada*luck.ocn.ne.jp
Keyword(s) : MgB2,MBE,Hc2,thin film,XRD,XPS

MgB2は金属間化合物としては最高の転移点Tc=39Kを有することから、その応用及び基礎物性に大きな関心が寄せられている。そこで我々はMBE法を用いた超高真空下における低温、低レートのAs-grownMgB2薄膜作製法を考案した。この方法により作製された膜は構造解析の結果、MgO(100)基板上において成膜温度200℃、B0.3Å/sec、Mg/B=8〜10に明らかな膜質の改善が見られ、電気抵抗率及び磁化率等物性値の最適化が図られることがわかった。その後我々は更なる膜質及び物性値の向上を目指し、基板をAl2O3(0001)及びSrTiO3(100)と変化させ膜の作製にも成功している。当日はXRD及びRHEED、XPS,AFM等膜の構造解析の詳細を報告し、物性測定としてその際の上部臨界磁場(Hc2)について報告する予定である。以上の結果より膜質と膜物性の相関についても議論する予定である。