MgB2バルクにおける結晶性と磁束ピンニング
Relationship between Crystallinity and Flux Pinning Properties of MgB2 Bulks


東大院工
°山本明保、下山淳一、上田真也、桂ゆかり、岩山功、堀井滋、岸尾光二
E-mail : tt36731*mail.ecc.u-tokyo.ac.jp
Keyword(s) : MgB2,臨界電流特性,磁束ピンニング機構,バルク,,

我々は化学的反応性や平衡蒸気圧が高いMg量の制御を行うため、Powder-In-Tube法をバルク作製に応用した、金属シース中で原料粉末を反応させるPowder-In-Closed-Tube法(PICT法)により、再現性に優れ高いJcを持つMgB2バルクの作製に成功している。
今回は、in-situ法によりMgB2を合成する際に、焼成温度の違いによるMgとBの反応形態の変化が超伝導特性・微細組織に及ぼす影響について調べるため、500℃〜1100℃という広い範囲の焼成温度について検討を行い、MgB2の焼成条件依存性を評価した。解析の結果、磁場中におけるピンニング力はMgB2の結晶性と強く相関しており、結晶性の低い試料においてピンニング力が強まることを発見した。また、焼成温度の低下ともに結晶性は低くなる傾向を示し、とくにMg融点の650℃を境に大きく変化することを見出した。