高温超伝導コイルの交流損失特性
AC loss properties of HTS coils
A鹿児島大,B九州電力(株)
°大家 美沙A,川越 明史A,住吉 文夫A,林 秀美B
E-mail : bs200009*ms.kagoshima-u.ac.jp
Keyword(s) : 高調波電圧,交流損失,ダブルパンケーキコイル,臨界周波数,Bi-2223多芯テープ線材,周波数依存性
高温超伝導コイルは、電力用機器への応用が期待されており、交流損失を評価することは重要である。我々は、これまでに、Bi-2223ダブルパンケーキ型コイルの交流損失を測定し、交流損失が強い周波数依存性を示すこと、特に低電流領域においては常伝導金属である銀の渦電流損失の特性が顕著に現れるものの、コイルによって特性周波数は異なっていること、また、インダクタンスも強い周波数依存性を示すことを観測している。短尺線材の特性からは予測できないコイルの特性が観測されている。 現在までの測定結果では、交流損失は強い周波数依存性を示す。特に低電流領域においては常伝導金属である銀の渦電流損失の特性が顕著に現れる。これは、2つのコイル毎で臨界周波数は異なっている。また、インダクタンスも強い周波数依存性を示す。 本研究では、この交流損失の周波数依存性について調べるために測定では考慮していなかった、コイル電圧に含まれる高調波成分に注目した。今回は交流損失特性の異なるBi-2223多芯テープ線材で巻線されたダブルパンケーキ型コイル2つについて、高調波電圧の測定を行った。その結果w?、低周波数領域において、2つのコイルに特性の異なった高調波成分が観測された。この結果は、高調波電圧がコイルの交流損失の強い周波数依存性の原因である可能性を示していると考えられる。