有限要素法による酸化物超電導線材の交流損失解析 (6)

AC loss analysis of oxide superconducting wires by the finite element method (6)


@林敏広,吉田玲司,柁川一弘,岩熊成卓,船木和夫

九州大学


現在実用化が見込まれている超電導線材としてBi-2223銀シーステープ線材がある。このBi-2223テープ線材を実際の交流用電気機器に巻線として応用するためには,機器内で発生する交流損失の定量的な評価が必要である。これまで我々は,交流損失の数値計算法として磁界分布を直接解析する二次元有限要素法を提案してきた。数値計算による交流損失評価は,実際の機器内の複雑な電磁環境や超電導線材の非線形な電流電圧特性を簡単に模擬でき非常に有用である。本発表では,Bi-2223テープ線材に対して任意の角度の外部横磁界が印加された場合の交流損失を,電流電圧特性の磁界依存性まで考慮に入れて数値計算を行ったのでその結果について報告する。また,斜め磁界印加時の交流損失の発生機構を解明しその予測法を提案する。