冷凍機を用いたSQUID非破壊検査システム −振動特性と温度特性−

SQUID-NDE System Cooled by Cryocooler -Vibration and Temperature Characteristics-


@廿日出 好A,稲葉友洋A,田中三郎A,丸野善生B

豊橋技科大A,岩谷瓦斯B


SQUID非破壊検査技術の実用化のためには、作業者の扱いやすい低ノイズな冷凍機冷却型の検査システムが必要である。このため、我々は、パルスチューブ冷凍機を用いたSQUID非破壊検査システムの開発を行ってきた。これまでに、従来型より低振動な小型の同軸型パルスチューブ冷凍機を開発した。さらに、環境磁気ノイズと振動による磁気ノイズを低減するHTS-SQUIDグラジオメータの採用、SQUID設置ステージをコールドヘッドから分離するなど、SQUIDの振動による磁気ノイズ低減を図った。この結果、冷却に液体窒素を用いた場合と同等の低磁気ノイズシステムの構築に成功している。 今回、このSQUIDステージの分離によりどの程度振動が抑制されているかを調べることにより、ステージ分離の効果を明らかにした。一方、HTS-SQUIDの特性は、77K付近で温度変化の影響を大変受けやすい。このため、精密な温度制御が必要であり、今回、ヒーターによる温度制御を導入した。ヒーターから発生する磁気ノイズを低減するため、それぞれから発生する磁界を打消し合うよう、2重のヒーターを用いた。この結果、ノイズを増加させること無く、ステージ温度は75K±0.05Kの揺れ幅で安定した。