パルス管冷凍機内に誘起される重力による二次的な流れの抑制方法についての考察

Consideration of reduction mechanism of gravity-driven secondary flow in pulse tube refrigerators


@白石正夫,藤澤祥孝A,村上正秀A,中納曉洋

産総研,筑波大学A


 パルス管冷凍機内に誘起される重力による二次的な流れが、付加的なDC流れによって抑制できる可能性があることを既に報告した。今回は、可視化実験で求めた二次流れの流速変化とガス温度変化を基に、抑制の機構について考察した結果を報告する。考察の結果次の事を明らかにした。重力による二次的な流れの熱損失は、主にパルス管内を低温端に向かう高温ガスの流れによる熱移動である。このため、高温端に向かう付加的なDC流れを発生させると、重力による二次的な流れが低減し、熱損失が抑制される。しかしながら、最適な強さのDC流れ以上にDC流れを増加させると、DC流れによる高温端の温度低下と蓄冷器からの熱損失が増加し、結果として低温端と高温端の温度差が少なくなり作動特性が悪くなる。この結果から、最適な強さのDC流れがあり、その強さまでは、作動特性が向上するが、その強さを越えると特性が悪くなるのが抑制機構である。