ITER-CSモデルコイルの分流開始温度の数値解析による評価
Evaluation of current sharing temperature in ITER-CS Model Coil with Numerical simulation
@名原啓博, 濱田一弥, 礒野高明, 小泉徳潔, 奥野清
原研
CSモデルコイルは定格運転を達成することを第一目標としたため、コイルのターン間絶縁確保のため巻線部内の計測素子はなく、コイル内部での冷媒の温度、圧力などのデータは計測されていない。そこで本研究では、コイル内部の温度分布やコイル運転時の分流開始温度、動特性を評価できる熱流体解析コードを作成することを目的とした。計算領域には総流路長約1.5km、実験時間約3時間という、空間・時間ともに大きい解析を必要とした。シミュレーションの結果、入口流量、出口温度、発生電圧の経時変化は、実験結果と計算結果はよく一致した。これらのことから、本数値解析の妥当性が示された。また、本計算から、常伝導転移している場所は1A層の入口近傍であることがわかった。つまり、磁束密度は流路中央の方が大きいものの温度が低くなるために常伝導化しておらず、磁束密度は低いが温度が高い流路入口の方で常伝導化が始まった。これによる電圧が発生し始める時刻での分流開始温度は約17.3Kと評価された。