ITER-CSコイルのクエンチ検出方法

Quench Detection Method of ITER-CS


@高橋良和,吉田清

ITER国際チーム


ITER中心ソレノイド・モデル・コイル(CSMC)において、クエンチ検出は、電圧タップによる常伝導電圧を検出する方法(電圧法)と、発熱による冷媒流量の低下を検出する方法(流量法)の2種類が用いられた。流量法は、巻線部に発生するパルス磁場下のACロスにより流量が低下したので、パルス運転時には使用できなかった。一方、電圧法は巻線部に発生する誘導電圧を打消して、常伝導電圧のみを検出するが、CSMCの場合2条巻されているので、巻線どうしで打消しを行い、数100mVのレベルの検出を行った。ITER中心ソレノイド(CS)の場合、1条巻なので、打消し用ピックアップ・コイル(PC)を用いる。このPCを導体と共に巻線部に巻込めば、誘導電圧をほぼ完全に打消すことができるが、PCが断線した場合に導体絶縁に及ぼす悪影響や修理ができない等により、巻線部の内側と外側にPCを置く設計を検討した。これにより、より簡単な巻線で、修理可能なクエンチ検出回路が可能になる。ITER-CSは6個のモジュ−ルで構成され、それぞれ独立の電流パタ−ンで運転される。また、ポロイダル磁場(PF)コイルも、6個で構成され、それぞれ独立に運転される。定常運転時と他のコイルの遮断時(過渡現象)における他のCSモジュ−ル及びPFコイルからの誘導電圧及び最適化された打消し電圧を計算し、常伝導部の検出感度の検討結果を報告する。