Gd-Ba-Cu-O系大型バルク超電導材料の捕捉磁場の温度依存性

Temperature dependence of trapped magnetic field for large Gd-Ba-Cu-O bulk superconductors


@成木紳也A,坂井直道A,村上雅人A,B,平林 泉A

超電導工研A,芝浦工大工B


RE123系バルク超電導材料の捕捉磁場は,温度の低下とともに著しく向上する.しかしながら,捕捉磁場が高くなり過ぎると,電磁力によりバルク体が破壊することが知られている.バルク体の捕捉磁場の温度依存性についてはこれまでに多数の報告がなされているが,その多くは直径2〜3cmの小型試料を対象としており,実用上重要な直径5cm前後の試料に関する報告は少ない.本研究では低酸素分圧下で作製した直径47-48mmのGd系バルクに対して,10Tマグネットを用いて各温度で着磁を行い,捕捉磁場の温度依存性について検討した.バルク体は70Kで4.1Tを捕捉したが,これ以下の温度では試料が破壊した.以前の研究で直径32mmのバルク体では6.7T(55K)までの磁場が捕捉可能であったことから,試料が大きくなると破壊が起こりやすくなることが分かった.金属リングによる補強を施したところ,50Kの比較的高い温度で,試料が破壊することなく9.0Tの強磁場を捕捉することができた.