RHQT法Nb3Al線材における微量Ga添加の影響

Effects of Ga addition on RHQT-processed Nb3Al wires


@齋藤榮A,渡部陽介A,善林宏行A,菊池章弘B,吉田勇二B,飯嶋安男B,竹内孝夫B,井上廉B

足利工大A,物材機構B


1GHz-NMRでは23.5T強磁場超電導マグネットを実現しなければならない。現在、最内層コイルに応用可能な導体はなく、その開発が強く求められている。RHQT法Nb3Al線材は候補導体としてあげられるが、現状性能では応用は困難であり、一層の特性向上が得られなければならない。先に、RHQT法Nb3Al線材に微量Cu添加を行うと、急冷直後に化学量論組成比に近いA15相が生成し、Bc2が約29Tまで上昇し、さらに強磁場下でのJcも大幅に向上することが見いだされた。しかし、この場合、コイル製法としてreact&windを適用しなければならず、巻径の小さな最内層コイル用に応用するにはかなり難しい。wind&reactを適用するために、急熱急冷処理後には塑性加工性をもつ過飽和固溶体が生成することが好ましい。すなわち、急熱急冷処理後に過飽和固溶体が生成可能で、且つNb3AlのBc2及び強磁場下でのJcを向上させるような添加元素が見いだせれば、RHQT法Nb3Al線材の実用化を一層加速させる。今回、RHQT法Nb3Alに微量Gaを添加した場合の影響について検討した。微量Ga添加は、先にNb3Sn線材においてBc2が向上すると報告されている。