ジェリーロール法(Nb,Ta)3Sn線材の組織と特性

Structure and High-Field Performance of Jelly Roll Processed (Nb,Ta)3Sn Wires


@太刀川恭治A,伊澤寛之A,池田祐哉A,古谷田誉之A,浅野健児A,竹内孝夫B,渡辺和雄C

東海大・工A,物材機構B,東北大・金研C


Ta/Sn組成比が3/7と1/3のSn-Ta合金及びこれに2.5wt%と5wt%のCuを加えたSn-Ta-Cu合金を溶製し、プレス後厚さ100μm及び200μmのシートに圧延した。これに同じ厚さのNbシートを重ねて中心のNb棒にまきつけた複合体をNb-4Ta合金シースに挿入し、溝ロールと線引きにより中間焼鈍なしに丸線に加工した。Sn-Ta(Sn-Ta-Cu)シートの組織及び生成される(Nb,Ta)3Sn層の組織について報告する。加工後の熱処理によりSn-TaシートからNbシートにSn及び3at%程度のTaが拡散して(Nb,Ta)3Sn層が生成される。線材は4.2K,23Tで100-120A/mm2,また2.1K,25Tで100A/mm2のnon-Cu Jcを示した。さらに高磁界で高いn値を示し、有望な特性がえられた。